Music Life - Archives

2003年からSNSなどに書いてきた音楽ログを一つにまとめる作業をしています。

Chutzpah! / The Wildhearts (2009)

 

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Chutzpah! / The Wildhearts

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英国の偉大なるソングライター、ジンジャーを擁する4人組ロックバンド、The Wildheartsの最新オリジナルアルバム。昨年、彼らのマスターピースである歴史的名盤『Earth vs. The Wildhearts』('93)がリリースされてから15周年を記念しアニヴァーサリーライブが世界各地で行われた。ワタシも赤坂ブリッツのライブへ足を運んだが、彼らが今尚活発に活動できる理由が分かったような気がする。何と言っても楽曲の持つパワー。ヘヴィなんだけどポップでフックがあって、ヘンテコなリズムがあるという唯一無二の存在。その彼らの様式美が完成されてしまったのは、デビューから6枚のオリジナルアルバム(『Fising For Luckies』を含む)をリリースしてきたから当然のことだ。
一昨年、新たなメンバーに元AMENのスコット・ソーリーを迎え、再出発の意気込みが感じられるセルフタイトルの『The Wildhearts』('07)は彼らの持ち味であるヘヴィなんだけどポップでフックがあって、ヘンテコなリズムがあるという個性は発揮しているものの、どこか緊張感に欠け自分達の焼き直しとしか感じられず、今までのアルバムのようにはあまり聴かなかった。
今作は、ジンジャーがかねてからバンドの理想と掲げてきた、「個々の楽曲を持ち寄りレコーディングを行う」ということはクリアできている。何より大きかったのは新加入のスコット・ソーリーのソングライティング能力の高さ。先行シングルとなった「The Only One」は彼のペンによるものである。いつも小さじ程度の新しい味付け(アレンジ)をするのが彼らの得意とするところだが、今回はインダストリアルさを感じさせたり、エモがあったり、彼ららしいと感じさせるビッグなリフがいかす「Tim Smith」やワタシが最も好きなのがエンディングの「Chutzpah」。この曲はおそらくジンジャーがメンバーに反対された(笑)という、エクストリームな方向性の曲(他のメンバーはコマーシャルなものにしないと誰も聴かないと主張したとか)の代表だと思うが、これが最高に格好良い。ジェットスコーターかと思ってしまうほどの、起伏に転調に次ぐ転調。こういうのは凡人では作れないし、ジンジャーの真骨頂だと思う。
ただ注意しなければいけないのは、アルバムの曲順。日本盤には4曲もボーナストラックが収録されていて、一曲目がいきなりタイトル曲のショートヴァージョンに近い1分半の曲「Chutzpah Jnr」、中盤には一昨年の来日公演にも披露された「Zeen Requiem」、「All That Zen」、「People Who Died」(ジム・キャロルのカヴァー)このボーナストラックがどれもポップなので、これが収録されていない外盤はかなり雰囲気が変わるのではないかと思う。
ニューヨークを拠点に地道に活動を続けているというが、現在は地元英国をツアー中。このツアー後来月待望の来日公演が行われる。

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