A DAY IN THE NEXT LIFE / 高橋幸宏 (1991)

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A Day in The Next Life - 高橋幸宏のアルバム - Apple Music

冬になると聴きたくなる音楽。ユーミンやドリカム、広瀬香美ではありません。僕にとっては間違いなく高橋幸宏。70年代よりサディスティック・ミカ・バンドイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)で活動。当時パワフルなドラマーが圧倒的に占める中、スタイリッシュで正確なビートで叩く知的派ドラマー。YMO後期でもシモンズのエレクトリックドラムであまりにも正確にビートを刻むため、時に機械的であるとの批評も。しかし、YMOのライブ盤で聴くことが出来る音からは人間味のある温かさを感じることができるものである。

YMO在籍時よりソロ活動を開始。解散後も、ムーンライダーズ鈴木慶一とのユニット、ザ・ビートニクスとしても活動を行う。このザ・ビートニクスには、高野寛鈴木祥子小林武史サポートメンバーとして参加。
ソロとして東芝EMIに移籍してから、1988年「EGO」をリリース。89年の再結成サディスティック・ミカ・バンドをはさんで、大人の純愛三部作のリリース。三部作は「天国」、「来世」、「幸福」をキーワードに制作された。今回紹介する作品は「来世」をキーワードにした二作目であり、個人的に東芝時代の最高傑作だと思う『ア・ディ・イン・ザ・ネクスト・ライフ』('91)。おきまりのカヴァーはニール・ヤングで始まり、ビートニクスとしての新曲、元ジャパンのスティーヴ・ジャンセンとのコラボレーションが収録されている。

どの曲も所謂、情けない大人の男であるが、それをここまで歌詞で描ける人ってなかなかいないだろう。今作は思いっきりメロディアス。歌詞の面では今作では「空気を吸うだけ」が痛々しくて共感できる。また同じクリスマスをテーマにした曲でも、プレゼントを渡すことが出来ない、二人の終わりを描いた「X'MAS DAY IN THE NEXT LIFE」、戦争時でも貧しい民でもX'masは平等に過ごす権利があるとの内容の「神を忘れて、祝えよX'mas time」も鈴木慶一にしか書けない秀逸な内容も幸宏さんの声で唄い挙げられるとと切なさ倍増で非常に良い。
ゲストが豪華。ギタリストは故・大村憲司吉川忠英布袋寅泰、ピアノ&ハモンド・オルガンにKYON(ボ・ガンボス)、キーボードに盟友・鈴木慶一(ムーンライダーズ)、バッキング・ヴォーカルにスティーヴ・ジャンセン(exジャパン)に愛弟子・高野寛etc
絶好調のこの時期のツアーの模様は「ア・ナイト・イン・ザ・ネクスト・ライフ」('91)というライブ盤で聴くことが出来る。